新潟芸術座公演
『かもめ』 -四幕の喜劇-
作 | アントン・チェーホフ |
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翻訳・演出 | 西村洋一 |
公演日時 |
2019年12月4日(水)~12月8日(日)
※開場は開演の30分前。 |
会場 |
新潟古町えんとつシアター 新潟市中央区東堀通6-1051-1 G.Eビル地下1階 http://えんとつ.com →地図はこちら(Googleマップ) |
料金 |
一般 前売=2,500円 18歳以下 前売=1,500円 (当日はそれぞれ300円増し) |
主催・ お問い合わせ |
新潟芸術座 niigatageijyutuza@gmail.com |
プレセミナー
11月26日(火) 14:00−15:00 世界最高峰ロシアの演劇大学の現在とスタニスラフスキー・システムについて 講師=西村洋一 |
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11月27日(水) 14:00−15:00 さいとうよういち|大学院でロシア文学を研究したが、ロシア語の助手として新潟大学に赴任すると、大学祭で学生とともに、ロシア演劇を上演。その第1回目(1988年)はチェーホフの『桜の園』だった。その後、大学の改革で演劇を教えるコースに移って、実際に舞台に立ったこともあるが、ロシア演劇への愛は忘れていない。 |
会場 | 新潟古町えんとつシアター 新潟市中央区東堀通6-1051-1 G.Eビル地下1階 http://えんとつ.com →地図はこちら(Googleマップ) |
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参加費 | 無料 |
定員 | 各回15人 |
申込方法 | 下記の申込宛先まで ●お名前 ●電話番号 ●職業 ●年齢 をお知らせください |
申込締切 | 11月22日(金) 当日受付もいたします(先着順でご入場いただけます) 当日会場へお越しください |
申込宛先 |
新潟芸術座 niigatageijyutuza@gmail.com |
『かもめ』という作品は、とても多面的である。
まず、もっとも単純な意味で、これは「喜劇」である。わざわざ副題として、「四幕の喜劇」と明記してある事から考えても、これはその通りに受け取るのが素直であろう。今回の稽古でも、わたしがよく言っていることであるが、『かもめ』はドリフである、と言っても過言ではない。わたしの見たところ、一ページに一つどころか、二つも三つも、明らかに意図した「笑いをとる」ための仕掛けがちりばめられている。難しいのは、台詞そのものの可笑しさというよりは、状況が可笑しい、ということで笑いをとろうとしていることであろう。このような笑いをとるには、俳優たちが舞台で「本当に生きている」ことが必要不可欠だからだ。
「男と女」ということについても、かなりの力点が置かれているように思われる。劇中でも語られているが、『かもめ』はまさに「恋愛だらけ」である。多くの登場人物が恋愛に喜び、恋愛に苦しみ、翻弄されてゆく。おそらく、多くはチェーホフの実体験なのだろうが……この世の中に、男と女が存在しているとは、どういうことなのか? という考察にまで至っている感じがしてならない。
演劇も含めた、「芸術」についても書かれている。芸術を志す者にとって、必要なこととは? そんな問いかけをしているようだ。それを見つけることができたニーナは、苦しみながらも俳優としての道を歩み続けることとなり、一方見つけられなかったトレープレフは……。
そして、本当に伝えたいのは、この世界の在り方、なのではないだろうか、と思う。劇中劇の中で、二十万年後について語られるが、そのようなスケールでチェーホフは世界を認識している。「世界全体の霊魂」についても語られる。その中には、「アレクサンドロス大王も、カエサルも、シェイクスピアも、ナポレオンも、そして最後に生き残ったヒルの霊魂もある」というのだ。だから、『かもめ』の登場人物たちは、そのような世界に存在する者として、とらえなければならないだろう。
翻訳・演出 西村洋一
新潟芸術座とは、オープンな演劇の場づくりを通した人材育成を主眼に活動し、新潟の演劇活動の活性化と質の高い上演が増えることを目的とした団体です。
その前身は2013年~2015年に新潟市で行われた「演劇大学INにいがた」の実行委員です。
演劇大学は日本演出者協会が文化庁委託事業として、新しい時代を担う全国各地の若手演出家の養成を目的に行われるプログラムです。第一線で活躍するプロの演出家や海外の演出家を招いて日本各地を回り、短期集中的にセミナーやワークショップを開催し、地方での演劇振興を図るというものです。
新潟では演劇を愛好する個人や団体がありますが、東京に行かずとも学びの機会を得たい、新潟演劇全体がスキルアップできる機会を設けたい。そのような思いで現在の新潟芸術座のメンバーが中心となり、日本演出者協会への働きかけを2年間続け、新潟での開催を実現させました。
西村氏には「演劇大学INにいがた」で3年連続講師を担当いただき、スタニスラフスキーが創造した「俳優・演出家養成システム」を基にしたプログラムは、たいへん好評を博しました。
その後、2017年10月に新潟芸術座という名称で、誰もが参加でき演劇のスキルアップを図れる公器を設立しました。同年11月より毎月もしくは隔月に2日間行うという、当時は他に例のなかった全15回30日という連続したワークショップを演劇塾と位置付け、西村氏を塾長に迎えて開始しました。
そして、2019年6月に無事全日程を終えたワークショップでの経験を生かし、公募による全キャストオーディションを経て、このたびアントン・チェーホフ作『かもめ』−四幕の喜劇−を上演する運びとなりました。設立から約800日、この公演がこれまでの集大成であると同時に、新潟芸術座として踏み出す最初の一歩でもあります。
舞台上で登場人物がしっかりと“生きている”姿をお目にかけたいと思います。
新潟芸術座 代表 井上ほーりん
アルカージナ | 近藤聡実(劇団ハンニャーズ) |
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トレープレフ |
渡部貴将(表現集団 机上空論)A 宮川飛鳥(SFage/劇団カタコンベ)B |
ソーリン |
佐藤祐介(市民団体にいがた映画塾/表現集団 机上空論)A ほーりん(振徳座)B |
ニーナ |
井上晶子(演劇くらぶ葛の葉)A 中村みゆう(劇団ハンニャーズ)B |
シャムラーエフ |
椿茂之A 市井優(プロジェクトB@ZANTO)B |
ポリーナ |
山川祐賀子(劇団ハンニャーズ)A つさきまどか(劇団カタコンベ)B |
マーシャ | 夏季さわ |
トリゴーリン | 島村哲平(演劇集団NAI) |
ドールン | 日比谷公園 |
メドヴェージェンコ |
市井優(プロジェクトB@ZANTO)A 和田淳也B |
※本公演は一部ダブルキャストでの上演となります。 |
原作 | アントン・チェーホフ |
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翻訳・演出 | 西村洋一 |
舞台監督 | 髙山隆夫 |
舞台美術 | 藤田雅史 |
衣裳 | 近藤聡実(劇団ハンニャーズ) |
照明 | 髙山隆夫 |
照明オペ | 後藤由香里(演劇製作集団あんかー・わーくす) |
楽曲製作 | 鶴間靖 |
音響 | 佐野聡彦(演劇製作集団あんかー・わーくす) |
音響オペ | 吉長美空(みっくすじゅ〜す倶楽部) |
小道具 | 合同会社デザイン現想 |
ビデオ撮影 | 成田誠 |
宣伝美術 | 大久保勝信 |
制作 | 石附弘子 |
制作補 |
小山由美子(劇団カタコンベ) 真白咲良 |
主催 | 新潟芸術座 |
西村洋一 | 翻訳・演出
にしむらよういち|96年よりロシア国立サンクトペテルブルク演劇大学の演出学科にて学ぶ。在学中は、演出と並行して、俳優としてのトレーニングも受ける。01年に5年間の課程を修了して卒業。帰国後は、演出や俳優トレーニングを行なう。俳優トレーニングの内容は、スタニスラフスキー・システムに基づいた、演技、ボイス・トレーニングやムーブメント。演劇大学INにいがたで3年連続講師を勤め好評を博す。
スタニラフキー・システムによる俳優経験者ワークショップ
藤田雅史 | 舞台美術
ふじたまさし|1980年新潟県生まれ。著書『ラストメッセージ』(BSN刊)。主に小説、ラジオドラマ脚本を中心に活動。2019年現在、BSNラジオ「ラストメッセージ〜天国からの返信〜」放送。サッカー短編小説「フットボールとラブソング」連載。戯曲「黄色い砂時計」「ガルベストン通りにて」「さまよいスピリッツ」他。なぜか今回は舞台美術プラン。
MASASHI FUJITA
鶴間靖 | 楽曲製作
つるまやすし|小学生高学年の頃から家にあったクラシックギター、エレクトーンを使い自己流の音楽で遊ぶことを覚える。高校生の頃から曲作りを始め、ギタリストとしてバンド活動に没頭する。その後ドラム、ベース、キーボード、と担当楽器を転向しつつ、さまざまなバンド活動を経て2008年頃から舞台の音楽制作も始める。全パートをひとりで演奏する事にこだわりながらアナログな手法で音楽を制作している。
参加バンド=MASHEEN MESSIAH/梅鶴/TBB